戦国模様の“埼玉・夏の陣”がいよいよ開幕! 包囲網に挑む昌平を筆頭に武南、埼玉平成、西武台ら好チームがずらり【総体予選】
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昨年度からの主軸であるMF長(手前)など昌平は攻守にタレントが豊富。やはり優勝候補日筆頭だ。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 

プレミアEASTでは暫定9位と低迷しているが…

 

 全国高校総体(インターハイ)サッカーの埼玉県予選は6月3日、46校が参加して開幕する。新型コロナウイルス感染拡大で2020年度大会が中止になったほか、この2年間は原則無観客で開催されたが、今回から制限がなくなった。決勝は6月18日にNACK5スタジアムでキックオフされ、優勝校が本大会(7月29日~8月4日/北海道旭川市)の代表権を獲得する。

 

 全チームの標的となる昌平が重圧をはね返して2連覇を果たすのか、それとも力のある宿敵や伏兵が立ちはだかるのか。今回もまた、一番の見どころはそこに尽きる。

 

 才能豊かな個の能力が屋台骨となり、洗練された組織力を形成するのが昌平の強みだ。昨年度の全国高校選手権を経験した長準喜、土谷飛雅(ともに3年)、大谷湊斗(2年)のMF陣がドリブルを主体に構成する展開力は質が高く、U-16日本代表MF山口豪太の個人技は1年生の水準ではない。ただ、今季初昇格したプレミアリーグEASTは高校生年代最高峰の大会とはいえ、暫定9位と低迷する現状がやや気になる。

 

 新人大会と関東高校大会予選を制した武南は、MF松原史季(3年)が高い個人技で攻撃陣をリード。左利きのMF高橋秀太(3年)は、独特のリズムで中列後方から好パスを配給する。自らが持つ最多優勝記録を16回に更新する力は十分ある。

 

 予選準優勝で関東高校大会に初出場した埼玉平成は、CB清水聖那とMF三木響介(ともに3年)を軸にした堅陣が特長。MF中島昂大(3年)の良質なキックから、鋭いサイドアタックを仕掛ける。3大会ぶりの優勝を目ざす西武台は、目下4位のプリンスリーグ関東2部で5得点のFW竹内奏海(2年)をはじめ、ともに3ゴールのMF治部田元太(3年)とFW遠藤秀悟(2年)が攻撃の中心だ。

 

 関東高校大会予選と新人大会4強の成徳大深谷は、SB鈴木嵐(3年)の良質な左足キックとロングスローが武器。昨年から2トップを組む秋本光瑛、平井心瑛(ともに3年)は得点感覚に優れる。公立勢で唯一、関東高校大会予選ベスト4の浦和東は、1㍍87㌢のCB小山紘輝(3年)に代表される忠実で粘り強い守備が持ち味だ。

 

 同予選8強組では、県トップリーグのS1で首位に立つ正智深谷は昨季からのレギュラーFW栗原健人(3年)の得点力が高く、GK望月奎杜(3年)も経験豊かな守備神だ。本庄東はMFアピッチ大翔(3年)のパス出しが絶妙で、細田学園はFW井出壱音やMF伊藤達樹(ともに3年)がチームを引っ張る。下級生に好人材を抱える花咲徳栄は、FW西尾優輝やMF仲山陽(ともに2年)の出来が上位進出のカギを握る。

 

公立勢の巻き返しにも注目だ

 

 S1リーグ5位の浦和南と新人大会8強の立教新座の対戦は、市立浦和-聖望学園のS1勢決戦とともに1回戦屈指の顔合わせとなった。新人大会準優勝でS1リーグ6位の武蔵越生は、MF佐藤祥太(3年)の舵取りが見もの。浦和学院は坂間真翔、平瀬優真の両MF(ともに2年)、DF川畑宇輝(3年)ら昨年度の全国高校選手権予選4強の主力が健在。埼玉栄も同予選ベスト4の陣容からGK安達洸太、FW小磯慧秦(ともに3年)という攻守の要が残り、チームをまとめている。

 

 S2リーグで好調の国際学院や狭山ヶ丘も、技術の高い選手を揃えた好チームだ。関東高校大会予選でベスト16に残った公立勢は、4強の浦和東を含めて4校だけ。どこまで巻き返せるかにも注目したい。

 

文●河野 正

 

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