まるで川崎Fの10番。神村学園の1年生ボランチMF福島和毅がドリブル駆使してゲームメーク
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神村学園高のU-16日本代表MF福島和毅(1年=神村学園中出身)はドリブルを駆使しながらゲームメーク

 

[5.26 インターハイ鹿児島県予選準決勝 鹿児島実高 1-3 神村学園高 OSAKO YUYA stadium]

 

 身長163cmと、両校の先発メンバーで最も小柄。その1年生MFが、伝統校・鹿児島実高相手に自分の特長を発揮し、逆転勝利に貢献した。

 

 神村学園高MF福島和毅(1年=神村学園中出身)は前日25日に発表された「International Dream Cup 2023 JAPAN」(福島・Jヴィレッジ)のU-16日本代表メンバー。神村学園中時代にU-15日本代表候補に選出されるなど注目されてきた福島は、強豪・神村学園で1年生から先発の座を獲得している。

 

 ダブルボランチの一角として先発したこの日の前半は、「ゴール前だったらボール持ったら自信あるんでどんどん狙いました。(FW金城)蓮央さん速いんで、蓮央さん走らせた方が良いかなと思って出していました」とスルーパスを連発。また、プレッシャーを苦にすることなくボールを運んでいたが、セカンドボールの攻防で劣勢になっていたことについて、ハーフタイムに指摘されていた。

 

 迎えた後半は相手よりも速くボールに触れることを意識。セカンドボールの回収を増やした。また、ボールに触れる機会が増えたことでそのテクニック、視野の広さがより際立つ35分間に。そして、35+1分には中盤でのインターセプトからボールを運んで左のU-17日本代表DF吉永夢希(3年)へスルーパスを通し、U-17日本代表MF名和田我空(2年)のゴールの起点となった。

 

 これは福島の特長が凝縮されたプレーだった。「(奪ってすぐに)スルーパスしないで運んで相手一回引き付けて、そこで夢希さんを少しでもフリーにできるようにできたので良かったです」。ドリブルに自信を持つボランチは、意図的にタメを作り、時間とスペースを創出。1年生は武器の使い方を理解している。

 

「中盤でドリブルが得意なので運んで相手引き付けてパスとか、自分で行ける時は抜いていったりすることを意識しています」。上級生たちの中で堂々と自分のスキルを発揮。身体能力の不足を感じさせずに巧みな身のこなしとボールタッチ、ドリブルを駆使してゲームメークする姿は川崎Fの名手、MF大島僚太を彷彿させた。

 

 大島はSHなどを経てボランチとなり、高校3年時秋の全日本ユース(U-18)選手権でブレイク。年代別日本代表経験もなかった小さなボランチは一気に評価を高めて川崎F入りを勝ち取った。現時点で大島よりも小柄な福島だが、「もっと上手くなって(上の世代の)代表に呼ばれるようにしたいです」。課題の守備や、運動量を改善し、「もっと上手くなりたい」「良いプレーして色々な人に見てもらえるようにしたい」と意欲を示した。

 

 MF橘田健人(現川崎F)やMF大迫塁(現C大阪)ら名手を輩出している神村学園の新たな才能。憧れはMFイニエスタで、プレー動画を良くチェックしている。「ドリブルも上手いし、パスも、パスするタイミングも上手いので見ています」。名手たちのプレーを見て学び、「直接的に得点とかアシストとか、結果を残していないので点をどんどん決めていって直接的にチームに貢献していきたい」という目標を持っている。

 

 有村圭一郎監督はこの日のプレーについて、「前半良さが出ていなかったので、1年生で出ているので思い切りやって欲しかった。後半は改善されてだいぶ良さが出ていた」と評価。ピッチに立っている以上、学年は関係ない。27日の決勝へ向けて福島は「明日出たら点を決められるように、どんどんゴール前に入っていきたいです」と宣言。インターハイ切符を勝ち取り、自分のプレーをより多くの人たちの前で披露する。

 

(取材・文 吉田太郎)

 

 

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