元Jリーガーが監督に就任した途端、一気に全国大会の常連校に駆け上がった滋賀県の近江高校サッカー部。「ジャイアントキリング(番狂わせ)」をたたき込まれた同校出身で初めて、Jリーガーが誕生する。J3カマタマーレ讃岐(香川県)に加入したMF竹村俊二選手(22)。運動量が抱負で危機察知能力が高いと評価されるレフティーは「J2、J1へ昇格する原動力になりたい」と意気込む。
■MF竹村選手、J3カマタマーレ讃岐に
近江高校は滋賀県彦根市にある共学の私立高校。サッカー部の指定強化クラブ化に合わせて2016年、J1清水エスパルスや海外でプレーした前田高孝(まえだ・たかのり)さん(37)が監督になった。その翌年、1年と2年のみのチームで、いきなり全国高校総体(インターハイ)の全国大会に初出場。その後もインターハイに1回、選手権大会にも2回出場した。
竹村選手は前田監督体制の1期生で173センチ、65キロの兵庫県西宮市出身。中学時代は、ワールドカップ(W杯)カタール大会で活躍した堂安律選手が所属していた西宮サッカースクールに所属していた。関西圏のクラブチームや中学校を車で回って「一つ、武器のある選手」を探し回っていた前田監督の目に留まり、滋賀で寮生活をしながら練習に励んだ。前田監督は「しなやかに体を使い、周りがよく見えている選手だったので口説いた」と振り返る。
■「監督、めちゃめちゃ怖くで威圧感えぐい」
プロ引退後に大学進学や世界放浪などを経験した前田監督は「人生を切り開け」「エリートにならず、常に挑戦者でいろ」「イエスマンにならず、自分の意見を持て」と生徒に教えた。竹村選手は「高校では時間を守るなど、常識を学んだ」としつつ「監督はめちゃめちゃ怖かった。威圧感がえぐい…」と振り返る。ただ監督から竹村選手への信頼は厚く、ゲームキャプテンを任されたという。
■パフォーマンスを上げるため、試合の何分前に起きるかなど大学で学ぶ
近江高校卒業後は立正大学に進み、関東選抜のAチームに選ばれるなど実績を上げた。新型コロナウイルスの影響で練習が中断したり、試合が延期になったりしたが「戦術以外にも、パフォーマンスを上げるためには試合前の何分前に起きるのか、ハーフタイムに何を食べたら良いのかなど、能動的に学んだ」と充実した日々を送ったという。
カマタマーレでの背番号は4番に決まり「相手を抑えてチームを安定させ、良い攻撃につなげられるパスを出していきたい」とする。母校にとって初のプロとなったが「近江高校からもプロになれると証明できた」と話し「謙虚な姿勢で貪欲にプレーして、最後まで諦めずに頑張って」と後輩にメッセージを送る。
■山内選手もFC琉球に、同時に2人プロ
近江高校出身としては、竹村選手と同学年の山内舟征(やまうち・しゅうせい)選手(愛知県出身、関西学院大)も今シーズンからJ3・FC琉球に加入する。そのため、同校出身の初Jリーガーは同時に2人誕生することになる。
清水エスパルスに入団して2年シーズン目が終わった後、クラブ側から「来季の契約金0円」と記された契約書を提示された経験を持つ前田監督は「プロは本当に厳しい。俺を超えてくれ」と笑いつつ「ここからがスタート。ファンやチームの仲間からかわいがってもらえる選手になってほしい」と2人を激励した。J3は3月4日に開幕する。
(まいどなニュース/神戸新聞・堀内 達成)
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鹿児島城西のMF芹生は、身体の使い方が上手く、パスセンスも高い司令塔だ。写真:松尾祐希 今年のチームは攻撃陣にタレントが揃う “半端ない”FW大迫勇也(神戸)を擁して選手権で準優勝を果たしてから15年。鹿児島城西が虎視眈々と復権の機会を狙っている。 鹿児島の高校サッカーと言えば――。2000年代の前半までMF遠藤保仁(磐田)やMF松井大輔(YS横浜)らを輩出した鹿児島実がその名を轟かせた。 近年は神村学園が躍進し、昨年度は福田師王(ボルシアMG)やMF大迫塁(C大阪)を擁してベスト4まで勝ち上がったのは記憶に新しい。インターハイは6年連続、冬の選手権も昨年度まで6年連続で出場しており、今季から2種年代最高峰のU-18プレミアリーグ高円宮杯に参戦するまでになっている。 一方で鹿児島城西は前述の通り、2008年度の選手権で日本一にあと一歩まで迫り、以降も神村学園と切磋琢磨し...



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