羽中田監督「このチームはもっともっと強くなる」山梨学院が優勝した18年度大会以来のインターハイへ
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[6.19 インターハイ山梨県予選決勝 山梨学院3-0駿台甲府 韮崎中央公園陸上]

 

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」男子サッカー競技山梨県予選の決勝が19日に行われ、山梨学院高が駿台甲府高を3-0で退け、優勝した2018年度大会以来となる6度目のインターハイ本戦出場を決めた。

 

 気温30度を超えるピーカンでキックオフしたかと思えば、後半が始まるころには一転して曇天模様。一気に雷雨へと変わり、後半5分から約15分間の中断を挟むなど、波乱を予感させた。しかし山梨学院は最後まで集中力を切らすことなく、完勝。今年度より新指揮官に就任した羽中田昌監督も「このチームはもっともっと強くなる」と秘める可能性に太鼓判を押した。

 

 前半から山梨学院がボールを保持しながらゲームを進めたが、駿台甲府の組織的な守備を崩すことが出来ない。今季より取り組む4-3-3の両ウイング、FW五十嵐真翔(2年)とMF伊藤優作(3年)が積極的な仕掛けからチャンスを作るが、ゴール前で決定機を作るには至らない。前半37分にMF小棚木蒼大(3年)が右サイドから狙ったFKも枠を捉えることはなかった。

 

 しかしスコアレスで折り返した後半3分、山梨学院は試合前から狙っていたプレーで先制点を奪う。センターサークル付近でボールを持った小棚木がそこからロングシュートを打つ。前日に行われた準決勝のスカウティングで、相手GKのガルシア・ブライアン(3年)が高い位置を取っていることを確認。それを常に頭に入れていたのだ。

 

 華麗な放物線を描いたシュートは、見事にゴールを捉える。そして直後に雷雨による約15分間の中断が入るが、集中力を切らさなかったイレブンは後半18分、MF吉本堅翔(3年)のパスから伊藤が鋭く突破。クロスはGKに当たるが、こぼれ球にいち早く詰めた小棚木が押し込んで、リードが2点に広がった。

 

 さらに終了間際の後半39分には吉本のスルーパスで抜け出した途中出場のFW栃尾瞭太(3年)がGKとの1対1を制してゴールネットを揺らす。守っても相手に反撃の形すら作らせず、今大会の全3試合を完封で飾り、先月開催された関東大会予選に続く県内2冠を達成した。

 

 今年度のメンバーは、昨年のトップチームの試合になかなか絡むことが出来ず、経験値の面で不安を持っていた。また新型コロナウイルスによる活動休止期間や、精神的支柱の主将MF宮岡拓海(3年)が度重なる怪我で離脱を余儀なくされる事態にも陥った。

 

 そんな中でも今年のチームの強みである我慢強さや向上心が、羽中田監督の考えとマッチ。先月行われた関東大会から主将も復帰したことで、チームとして戦える状況も整った。「選手たちは短い期間の中でスポンジのように吸収しようという思いを強く感じた。その結果、優勝できたのかなと思います」。羽中田監督も愛弟子たちの急成長に目を細める。

 

 夏は優勝した18年度以来の全国。2年前には全国選手権を制していることで、今大会も注目されることが予想される。しかし宮岡は「優勝した代とは全く違うサッカーを目指している」と強調する。「世間の目はどうしてもついてくると思うけど、それは関係ないこと。自分たちにしかできないサッカーをやって、少しでも楽しんで勝ち上がろうと思います」。夏の全国では新生山学を証明する。

 

(取材・文 児玉幸洋)

 

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