高校選抜選考合宿はユース審判育成の場に。高校生6人が練習試合をコントロール
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全国から集ったユース審判員たちが、高校選抜候補の試合をレフェリングした。日本高校選抜候補とU-17日本高校選抜候補が、1月20日から23日まで静岡県内で選考合宿を行い、期間中にそれぞれ大学生と練習試合2試合を実施。この計4試合に加えて、日本高校選抜候補対U-17日本高校選抜候補戦を高校生のユース審判員による審判団がコントロールした。


この試みは昨年に続いて2年目。募集に対して全国から30名ものユース審判員が応募し、選ばれた小崎一心君(四日市工高3年)、渡邉彪斗君(伊豆総合高3年)、中川航君(住吉高2年)、林田萌芽君(修道高2年)、山田周君(駒澤大高1年)、木村尚暉君(徳島科学技術高1年)の6人が合宿を行い、同じ高校生である高校選抜候補の戦いで笛を吹き、旗を上げる機会を得た。

ピッチサイドや宿舎では、同じ志を持つユース審判員たちや指導員の先生方と経験や考え方を伝え合った。加えて、今回の合宿ではプロフェッショナルレフェリーの荒木友輔氏が講演。そして、合宿最終日に6人は、荒木氏がレフェリングする姿を間近で見て学んでいた。

合宿に帯同した福島崇教諭(正則高)は、「彼らが目標にしているトップレフェリーを間近で見て頂いて、また高校生の高いレベルの経験ができて、非常に有意義な活動ができたんじゃないかと思います」と頷く。

期間中、ユース審判員たちはレフェリングの技術、判断を磨くだけでなく、一高校生として「学校でできる学びをしっかりする」こと、人間性を高めることの大事さも学んだ。昨年、このユース審判員の合宿に参加した高校生が、各地域で活躍中。福島氏は「この経験を通じて将来、さらに活躍してもらって、地域のトップレフェリーとか、Jリーグとか、また国際舞台で活躍するようなレフェリーが高体連の活動を通して出せると良いかなと思って、今後も継続してやっていきたいと思っています」。高校選抜をレフェリングすることは、各地にいるユース審判員の一つの目標に。高体連サッカー専門部は今後も、高校生選手の育成だけでなく、ユース審判員育成にも取り組んでいく。

以下、参加したユース審判員6名のコメント(取材順)。
●小崎一心君(四日市工高3年)
「今回はこういった舞台に立たせて頂いて、また各地から集った審判員で選ばれた、ある意味(ユース審判員の)代表としての覚悟とかもありましたし、選手もそうですけれども、自分自身もこれに懸ける思いが強かったです。笛一つとっても大きな責任が伴ってくる中で良い準備をして、ピッチの中でやることは変わらないですけれども、このような責任が伴ってくることも楽しめるような環境でできたと思います。荒木さんに会わせて頂き、色々な話をさせて頂いて、色々な刺激を受けたんですけれども、やっぱり今後は世界で活躍できるような国際審判員だったり、プロフェッショナルレフェリー、またJリーグで活躍できるような審判員になれるように成長して行きたいと思っています」

●渡邉彪斗君(伊豆総合高3年)
「今大会はテレビの中で見ていた選手のゲームを担当するということもあって、緊張があったんですけれども、それを良いように捉えて、ドキドキ感とワクワク感を持って、試合をレフェリングすることができました。今後はJリーグを目指せるように、どんどんカテゴリーを踏んで行って、上に行って、今日一緒にやった選手とまた会える事を楽しみにレフェリングしていきたいと考えています」

●中川航君(住吉高2年)
「今回、全国から30人くらい応募があったと聞いており、その中で6人に選ばれてとても嬉しかったです。この試合はレベルが高くて僕もどんどんチャレンジして行こうかなと思って挑戦しました。できなかったことがあったけれど、できたこともあったので、これからどんどん伸ばして行って、これからの審判活動に活かしていきたい。将来は欲を言えば、Jリーグの審判員に当たりたいですし、地域で活躍できるような審判員になりたいと思っています」

●林田萌芽君(修道高2年)
「今回の感想としては、自分の県でやっているレベル以上の、この年代の日本トップレベルをやることで普段分からない難しさであったり、新しい課題とかというものがいっぱい見つけられてきて、その中で色々な指導を受けることができて、次の試合とか、今後に向けて凄く学ぶ、密な時間を過ごせたというのがあります。今後の目標としては、地元に帰って、今回学んだことをいっぱい還元して、そこでしっかり成長して、将来はJリーグとかで働いていけたらな、Jリーグのレフェリー目指して頑張って行けたらな、と思います」

●山田周君(駒澤大高1年)
「僕はウチの高校のトップと大学生のトップとかがよく練習試合をやったりするので、少し慣れている部分がありましたが、この高校選抜は高校生の中でトップレベルで、大学生にすごく近いようなレベルの人たちが集まっているので、最初は適応するのにちょっと手こずったところがあったんですけれども、2日目からは自分の中ではバッチリできたので、今回の収穫というか、良い部分だったなと思います。僕はまだ1年生なので、2年間の高校生活で何を得るかがこれからのレフェリーとしての人生にも大切なことだと思っているので、この2年間を無駄にせずに頑張っていきたいと思いますし、将来的には日本人でまだ誰もなったことのないワールドカップの決勝を吹きたいと思っています」

●木村尚暉君(徳島科学技術高1年)
「今回、この合宿に参加して普段僕がやっている試合では感じれない雰囲気とか、強度とか、スピードを自分の肌で感じることができて、また主審もすることができて、自分のやりたいことができた時もできていない時もあったので、そのできていないことを地元に帰ってできるようにしていきたいと思っています。将来はやっぱり1級を取って、Jリーグの審判員として少しでも活躍できたらなと思っています。僕がユースからずっとやっているので、10年後、20年後とかに地元のユースの子が僕みたいな審判員になりたいとか、そう言って憧れてくれる子が出てきてくれたら嬉しいと思います」

(取材・文 吉田太郎)

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