ニュース > 日本 > 本文
急台頭で辿り着いたパリ五輪、スペイン戦で感じた21歳SBの衝撃…関根大輝が野心を胸に帰国「A代表に入りたい思いが本当に強くなった」
{by} web.gekisaka.jp


 

 1年間の下剋上で辿り着いたパリ五輪の舞台は、次なるステージへの確かな道しるべとなった。

 

 U-23日本代表DF関根大輝(柏)が4日、パリ五輪が行われたフランスから帰国し、羽田空港で報道陣の取材に対応。大会を通じて得た手応えを「個人的には初戦から楽しめた。いろいろと課題は見つかったけど、すごくいい大会になったのかなと思う」と話しつつ、A代表入りへの熱い思いを口にした。

 

「今回の大会を通してA代表に入りたい思いが本当に強くなった。国を背負って戦うことの偉大さだったり、スペインに負けた後、本当に悔しかったので、次はA代表で晴らしたいなと思った。いろいろな課題は見つかったのでそういうところを克服して、A代表になるべく早く入れるように頑張っていきたい」(関根)

 

 静岡学園高出身で拓殖大在学中の関根は、国際試合のない候補合宿を除けば、昨年6月の欧州遠征で初めて大岩ジャパンの正式活動に初招集された“遅咲き”のパリ世代。ところが昨年9月、主力不在で臨んだアジア大会で高い評価を勝ち取ると、今季はプロ入りを1年早めて加入した柏で即主力に定着し、一気にブレイクを果たした。

 

 パリ世代の活動でも急速に序列を高め、3月の国内合宿、4月のU23アジア杯、6月のアメリカ遠征で一貫して存在感を発揮。いまや右SBの揺るがぬレギュラーとなり、初招集から1年余りでパリ五輪のピッチに立った。

 

 今大会はターンオーバーで臨んだ第3戦イスラエル戦(◯1-0)を除く3試合にフル出場。静岡学園高などで磨き上げてきた技術に裏打ちされた攻撃センス、187cmの上背に支えられたフィジカルは世界でも大いに通用した。また唯一懸念されていた国際試合経験の少なさという課題も高いクオリティーで克服。敗れた準々決勝スペイン戦でさえ「自分が出た試合の中で一番手応えを掴めた試合」という言葉にふさわしいパフォーマンスを発揮していた。

 

 もっともスペイン戦では「日本のサッカーは世界でも通用すると思ったし、個人のレベルとしてもやれる手応えは掴めた大会になった」という前向きな自信を得つつ、対戦相手からそれ以上の大きな刺激も受けたという。

 

 そこで名前を挙げたのは右SBのDFマルク・プビル(アルメリア)。関根より1歳年下の弱冠21歳にしてラ・リーガ通算34試合、セグンダ(2部)通算29試合の出場経験を持つ190cmには、自らのスタイルも重ねながらプレーを見ていたという。

 

「スペインの右SBは自分と同じような体格、むしろデカいくらいで、全然自分より上手かった。自分よりもデカい選手でもっと上手い選手がいるんだなというのは、オリンピックに出ていなかったら経験できていなかった。あの選手はとにかくクオリティーが高かったので、試合中に逆サイドでもずっと感じていた。細かいトラップとかパス、特にダイレクトパスの質が高かったので、そういうところは吸収しないといけないと思う」

 

 右サイドハーフやインサイドハーフと連係した攻撃参加では関根のほうが強みを出せており、「自分にはスペインの右SBにはない特徴もある。攻撃参加のタイミング、オーバーラップの迫力は自分の良さでもある」とも前向きに認識するが、それでもなお「もっと基礎の技術を上げていかないといけない」と関根。準々決勝で感じたスペインとの違いを次のように語った。

 

「ああいうトップレベルの試合になってくるとそういうところが出る。スペインにはトラップ・パスで剥がされることが多かった。個人で剥がされるより、チームで崩されるシーンが多かったので、一人一人の技術はもっと上げていかないと自分はこの先もっと上に行けないと思った。そういうところをこだわってやっていきたい」

 

 また守備では2つのミドルシュートを叩き込まれたMFフェルミン・ロペス(バルセロナ)の衝撃を間近で味わった。

 

「打たれた瞬間は正直、大丈夫かなという感覚もあったけど、そういうシュートがワールドクラスになると簡単に入ってしまう。自分も2失点目の部分で、もう一歩前に出ていたら身体に当てていただろうし、一歩のところをこだわらないとすぐにやられてしまうと感じた。今後も気を付けていきたい」

 

 そうした欧州トップリーグの所属選手は関根にとって「普段、映像でDAZNとかで見ている選手たち」。だからこそ、この五輪は日常のレベルを上げていくことの必要性、すなわちヨーロッパ移籍の必要性も感じる機会ともなったようだ。

 

「日本でもいい経験をさせてもらっているし、レイソルでの期間がなかったらここにも来られていない。すごく日頃の練習からレベルが高いので、すごく刺激はもらっていた。でもこういう世界の舞台を経験したらもう一つ上のレベルの選手がいると感じた。ビッグクラブでやっている選手がゴロゴロいたし、そういう相手とやったことで、もっと限界以上のものがこういう相手とやっていたら出せるんじゃないかなと思った。そういう目標は強くなったと思う」

 

 そうしたキャリア選択は、今大会で思いを強めたA代表入りの行方も左右しそうだ。A代表の右SBには現在、プレミアリーグにステップアップしたDF菅原由勢(サウサンプトン)、初の海外挑戦を果たしたDF毎熊晟矢(AZ)が君臨しており、サブにも食い込んでいくのは難しい状況。そのステージに立つためには、所属リーグのレベルも上げる必要があるのが現実だ。

 

「そういう選手を追い越していくためにも日常のところを変えていかないといけない。レイソルでも引き続きもっと意識高くやっていく必要があるし、自分も海外でプレーしたいというのはずっと思っているので、もしチャンスがあったら早く行って、菅原選手、毎熊選手たちに肩を並べられるように、追い越していく選手になれるようにやっていきたい」

 

 パリ世代初招集から1年余りで五輪舞台に立った21歳。次なるシンデレラストーリーは2年後の北中米W杯だ。

 

(取材・文 竹内達也)

 

関連ニュース
浦和レッズ VS 川崎フロンターレ 予想、対戦成績、最新情報2024/11/22

浦和レッズ VS 川崎フロンターレ試合予想 今シーズン、この2つの強豪チームはリーグ中位の成績にとどまり、成績は振るわなかった。 しかし、浦和レッズは過去3戦で2勝1分けを記録し、前戦では優勝候補のサンフレッチェ広島にも勝利した。 対照的に、川崎フロンターレはAFCチャンピオンズリーグエリートにも参加しているので、リーグ戦での成績が芳しくなかった。 さらに、両チームの過去対戦成績も引分率が高いだ。 したがって、この試合ではホームチームが無敗になると予想されている。 試合予想:浦和レッズ0 7Mスポーツ 国際版APPにはプロ予想と素人予想が満載、もっと情報を手に入れるなら、ダウンロードしてご活用ください! 方法1.画像のQRコードをスキャンするとウンロードできます;方法2.下記のリンク先よりもダウンロードできます。 https://a...

浦和レッズ VS 川崎フロンターレ
J1リーグ
{by} 7msaka.com
FC東京のクラモフスキー監督が今季で退任「私たち全員の取り組みが将来成功するための土台を築いたことは確か」

FC東京は19日、ピーター・クラモフスキー監督(46)が今季限りで退任することが決定したと発表した。後任については決まり次第、改めて報告するという。 オーストラリア出身のクラモフスキー監督は過去に横浜F・マリノスのヘッドコーチ、清水エスパルスとモンテディオ山形の監督などを歴任し、昨年6月にFC東京の指揮官に就任した。同シーズンはJ1リーグ戦を11位で終え、今季は残り2試合で8位につけている。 今季限りでの退任に際し、クラブ公式サイトを通じて「私がここでみなさまとともに過ごした期間、トロフィーを手にすることはできませんでしたが、私たち全員が取り組んできたことが、将来成功するための土台を築いたことは確かです」とコメント。「いつもみなさまのサポートは特別なものと感じていました。 近い将来、FC東京がチャンピオンになること、そしてアジアを制覇することを願っています」と述べ、選手、スタッフ、...

ピーター・クラモフスキー監督
FC東京
{by} web.gekisaka.jp
元Jリーガーが前立腺がん(ステージ4)と診断…GKコーチとして在籍する長野「寛解に向けたサポートを惜しみません」

AC長野パルセイロは19日、GKコーチを務めるシュナイダー潤之介氏のチーム離脱を発表した。 シュナイダー氏は体調不良のため医療機関を受診し、10月23日からチーム活動を休止。精密検査の結果「前立腺がん(ステージ4)」と診断された。 クラブは公式サイト上で「治療に専念するシュナイダー潤之介GKコーチの寛解に向けたサポートを惜しみません」と表明。「ファン・サポーターの皆様や関係各位、クラブ等で実施できる支援方法につきましては、明確になりました時点で随時お知らせさせていただきます」とし、「それまでは、どうぞ温かく見守っていただけますと幸いです」と述べた。 現在47歳のシュナイダー氏は現役時代にサガン鳥栖など国内の複数クラブでプレー。引退後はGKコーチとなり、2023年から長野に在籍していた。 以下、クラブ発表プロフィール ●シュナイダー 潤之介(Junnosuke SCHNE...

シュナイダー潤之介氏
{by} web.gekisaka.jp
至近距離から相手にボールを投げつけて退場…大宮FW杉本健勇の処分内容が決定

Jリーグは18日、J3第37節の試合で起きた行為について、大宮アルディージャFW杉本健勇とSC相模原MF岩上祐三に1試合の出場停止処分を科すと発表した。 杉本は16日に行われたFC岐阜戦(△2-2)の後半25分に一発退場。Jリーグは「(公財)日本サッカー協会 競技および競技会における懲罰基準に照らして審議した結果、同選手の至近距離から相手競技者に向かってボールを投げつけた行為は、『選手等に対する反スポーツ的な行為』に該当すると判断、1試合の出場停止処分とする」と説明している。 また、岩上は15日のFC大阪戦(●0-1)の後半20分にレッドカードを受けた。Jリーグは「(公財)日本サッカー協会 競技および競技会における懲罰基準に照らして審議した結果、同選手のボールとは関係の無いところで相手競技者を突き飛ばし押し倒した行為は、『選手等対する反スポーツ的な行為』に該当すると判断」とし、同じ...

Jリーグ
杉本健勇
{by} web.gekisaka.jp
10月のJ1月間ヤングプレーヤー賞はMF鈴木淳之介!! 湘南から2か月連続の受賞

Jリーグは12日、湘南ベルマーレのMF鈴木淳之介(21)が10月度のJ1月間ヤングプレーヤー賞を受賞したことを発表した。湘南からの受賞は9月のFW鈴木章斗(21)に続いて2か月連続となる。 鈴木は10月の2試合でフル出場。第33節の東京ヴェルディ戦は(○2-0)完封勝利し、第34節のサンフレッチェ広島戦では当時首位だった相手に2-1で競り勝って3ポイントの獲得に貢献した。槙野智章選考委員は「J1の中でも最も強度のある広島相手に落ち着いたプレーを見せていた」と振り返り、丸山桂里奈特任委員は「広島戦では相手からのハイプレスにも焦ることなく、冷静に繋ぎ、タイミング良く持ち出して、落ち着いたプレーがチームの勝利に大きく貢献した」と鈴木を称えている。 鈴木は受賞に際して「10月度の『月間ヤングプレーヤー賞』に選んでいただきとても嬉しく思います。満足することなく引き続き頑張りたいと思います。そ...

J1月間ヤングプレーヤー賞
鈴木淳之介
{by} web.gekisaka.jp
イニエスタの日本引退試合が味スタで開催!! シャビ、ロベルト・カルロスら参戦の豪華“エル・クラシコ”OBマッチ

株式会社SPORTS&LIFEは12日、10月に現役引退を発表した元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタの日本での引退試合が12月15日に味の素スタジアムで行われることを発表した。 この引退試合はエル・クラシコとして知られるバルセロナ対レアル・マドリーのOBマッチとなり、両クラブに所属したレジェンドが日本で対戦する。 バルセロナレジェンドにはイニエスタのほかシャビ・エルナンデス氏、リバウド氏、ハビエル・マスチェラーノ氏アドリアーノ氏などの参戦が決定。対するレアル・マドリーレジェンドにもルイス・フィーゴ氏、ロベルト・カルロス氏、イケル・カシージャス氏といった名選手が名を連ねる。キックオフは午後2時を予定している。 以下、11月12日時点の参戦選手 ▽バルセロナレジェンドアンドレス・イニエスタシャビ・エルナンデスハビエル・マスチェラーノリバウドハビエル・サビオララファ...

アンドレス・イニエスタ
{by} web.gekisaka.jp
今季で現役引退の愛媛DF森脇良太、来季の役割が決定「これからもディープなディープなお付き合い」

愛媛FCは12日、今シーズン限りで現役を引退したDF森脇良太が来季より愛媛FCポジティブエナジャイザーに就任することを発表した。 Jリーグ屈指のお調子者キャラとしても親しまれた森脇は「イベントやメディア出演を通じ、愛媛FCを広くPRすることに加え、愛媛FCの価値と勝ちを向上させるために現場にエネルギーを注入する役割」を担当するという。クラブはこの役割を2022年に新設し、これまでは「自らポジティブエネルギーを生み出して周りに良い影響を与えられる」現役所属選手が務めていた。 森脇はクラブを通じて以下のようにコメントしている。 「この度、愛媛FCポジティブエナジャイザーに就任することとなりました。愛媛FCや愛媛県を盛り上げ、愛媛FCの価値を高められるように自分に出来ることを全力で頑張ります!サポーター・地域・企業との繋がりがもっと深く強固なものになるように愛媛はもちろん日本全国を力...

愛媛FC
{by} web.gekisaka.jp
熊本MF藤田一途&MF東山達稀が契約満了で退団へ「自分らしく一歩一歩前に」「また皆さんにプレーで証明」

ロアッソ熊本は12日、2024シーズンの契約満了に伴い、MF藤田一途(25)、MF東山達稀(25)と来季の契約を更新しないことを発表した。 両選手とも大学経由で2022年に加入。今季J2リーグ戦では藤田が4試合、東山が13試合に出場していた。 以下、クラブ発表プロフィール&コメント ●MF藤田一途(ふじた・いっと) ■生年月日1999年6月30日(25歳) ■出身地神奈川県 ■身長/体重175cm/72kg ■経歴あざみ野FC-横浜FMJrユース-横浜FMユース-仙台大-熊本 ■出場記録2022年〔熊本〕J2リーグ28試合0得点、J1参入プレーオフ1試合0得点、天皇杯2試合0得点2023年〔熊本〕J2リーグ22試合0得点、天皇杯4試合0得点2024年〔熊本〕J2リーグ4試合0得点、カップ戦1試合1得点、天皇杯0試合0得点 ■コメント「今シーズン限りでロアッソ熊本を離れる...

藤田一途
ロアッソ熊本
東山達稀
{by} web.gekisaka.jp
長野レディース高野瀬紫苑が脳脊髄液漏出症と診断…復帰時期は未定

AC長野パルセイロ・レディースは12日、DF高野瀬紫苑の病気療養を発表した。 クラブによると、長らく体調が優れずにリハビリトレーニングを行っていた高野瀬は、改善の傾向が見られないため医療機関を受診した結果、脳脊髄液漏出症と診断されたという。 現在は病気療養のため入院しており、復帰時期は現時点で未定。クラブは公式サイトで「選手・スタッフ・関係者一同、早期の健康回復を心より願っています」と述べた。...

高野瀬紫苑
AC長野パルセイロ・レディース
{by} web.gekisaka.jp
川崎フロンターレ VS 鹿島アントラーズ 予想、対戦成績、最新情報2024/11/1

川崎フロンターレ VS 鹿島アントラーズ試合予想 鹿島アントラーズは今シーズン、全体的なパフォーマンスが優れており、この試合でより多くの注目を集めるはず。 しかし、ブックメーカーは、AFCチャンピオンズリーグエリートで敗れた後、士気を安定させるために勝利を切望している川崎フロンターレに信頼を寄せている。 鹿島アントラーズは最近の記録が悪くないが、アウェーでは不安定な調子を見せた。 したがって、私たちは川崎フロンターレがこの試合に勝つと考えている。 試合予想:川崎フロンターレ-0.25 7Mスポーツ 国際版APPにはプロ予想と素人予想が満載、もっと情報を手に入れるなら、ダウンロードしてご活用ください! 方法1.画像のQRコードをスキャンするとウンロードできます;方法2.下記のリンク先よりもダウンロードできます。 https://app...

川崎フロンターレ VS 鹿島アントラーズ
{by} 7msaka.com