元Jリーガー中田一三が通信制高サッカー部で乗り出す夢の育成プロジェクト! 多彩な指導歴で目ざすは「仲間と一緒にやり切れる場」
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保育園からJクラブまで、多彩な指導歴を持つ中田氏が、通信制高サッカー部の総監督として新たな挑戦に乗り出す。


下は保育園から上はJクラブまでの指導を経験

Jリーグの京都でのトップチーム監督経験者が、全寮制の通信制高校サッカー部を率いて新しい挑戦に乗り出すことになった。

三重県中南勢地域に位置する代々木高で、新設されるサッカー部を総監督として指揮するのが中田一三氏。同県出身で四日市中央工高時代には小倉隆史、中西永輔、両氏(いずれも元日本代表)とともに三羽烏として脚光を浴び、1991年度の全国高校選手権では主将として同校を初優勝に導いた。そのままプロ入りすると、福岡、大分、仙台など6チームで13年間に渡りJリーグで活躍した。

「通信制高校は、非常に時代のニーズに適した形だと思います。全寮制なので全員が早寝早起きの一定リズムで生活し、日中のフレッシュな時間帯にトレーニングが出来る。Jアカデミーや高校だと始まるのが夕方近くになり、さらに遠距離から通うケースもあるので、どうしても睡眠や休養などの面で課題が残ります。その点、代々木高校は、近隣に人工芝4面、天然芝1面を備える伊勢フットボールヴィレッジがあり、日中はほとんど使用されていないのでここで思う存分サッカーに打ち込み、しっかり休養や栄養を取ることも出来ます」

中田氏の指導歴は多彩だ。下は保育園から上はJクラブまでの経験を持ち、逆に高校年代だけが抜け落ちていた。

「地元では複数の育成年代のチームの起ち上げに携わりました。ここでは2週間ほど夏休みを取りましたが、それだけでも子供たちの身長が伸びていることを実感できました。私たちの高校時代は、夏休みどころか正月も含めて年間ほとんど休みなくサッカーに打ち込むのが普通でした。しかし2週間だけでも、サッカーから離れてキャンプに出かけたり、勉強をしながらも友だちと遊んだりする時間を確保するだけで、リフレッシュの効果は十分に見て取れたんです」

実は自身の四日市中央工高時代には、キャプテンとして城雄士監督に「月曜日をオフに」と直訴し、実現した。

「メリハリをつけた方が、土日の試合にもっと集中できると考えたんです。今改めて、メリハリは凄く大切だったと感じています」

軸となるのはコミュニケーションと読書

約30年前の高校生活を思い起こせば「ただサッカーをするためだけに」学校へ通っていた。

「7時から朝練習があり、午後の練習を終えて帰宅すると20時を過ぎることもある。足りない睡眠時間は授業中に確保するしかなかった。どちらかといえばやんちゃな方でしたが、先生方にはサッカーをやっていたから何かと目を瞑ってもらっていたし、サッカーでなんとか恩も返せたんだと思います」

逆に通信制高校なら、毎日フレッシュな状態でトレーニングに集中し、空いた時間を将来の人生設計のために有効活用することが出来る。軸を成すのは、コミュニケーションと読書だという。

「陽が上がったら農作物の栽培にひと汗を流す。自分たちで作ったものを食べる。ここには農林水産と一次産業が可能な環境が整っているので、こうして自然の中での自分の在り方を感じるきっかけを提供してあげたい。読書も奨励していこうと考えています。普段の生活の中で知識を増やすことが習慣化されていけば、サッカーでもチャレンジできることが増えていくはずです」

中学時代には「みんなで四中工へ行って全国制覇しようぜ!」と、トレセン仲間たちを焚きつけた。お山の大将が勢揃いした集団は「当初小競り合いが絶えなかった」そうだが、徐々に自分を知り、お互いの長所を理解するようになると「味方の良さを引き出し、足りないものを補い合うのに何をするべきか」を考えられるチームへと変貌していったという。

「個々の良いところを認めると同時に、失敗も許される場所にしていきたい。そういう意味では1度失敗してしまった選手を転校で迎え入れることなども視野に入れています」

真剣にプロを目ざしたいと願っている選手たちが、ひた向きにトライできる。代々木高サッカー部を、そんな場所にしていきたいと考えている。

「保育園の巡回指導から大人まで、引き出しを広げるためにもいろんな指導経験を重ねて来ました。学童は次々に楽しいメニューを提供し、『サッカー、って面白い』と思ってもらうことが全てです。一方プロは、整えられたチームで結果を出すのが全て。ただカテゴリーが異なっても共通項はあります。やはりやっている選手が楽しいと感じているかどうかは、観ている人たちにも伝わりますから」

「可能性を少しでも広げてあげたい」

プロを目ざす高校生を導くのだから、当然その世界での指導歴は大きな武器にも差別化にもなる。

「一芸に秀でていることは大切です。しかし土台となる基礎もとことん磨き上げていけば、それも尖った個性へと変わっていく。とにかく現代サッカーでは、全てのポジションで最短最速でゴールに直結するプレーや技術が求められる。ここではその可能性を少しでも広げてあげたい。ただどうしても一人では、目標へ向けて行動の伴った努力を続けるのは難しい。だから仲間と一緒にやり切れる場にしたいんです」

オランダ、スペインなどで現場を視察し、海外でストリートサッカーに飛び入りした経験もある。

「とにかく日本とは勝負へこだわりが違う。日本だと空気が読めないと引かれてしまいそうなタイプばかり。でもここでは勝ち負けの醍醐味を知り、その真剣こそが楽しいコミュニティにしていければ、と考えています」

ちょうど移り住んだ地域に、絶好の環境が整う新しいタイプの活動拠点が出来た。まるで運命に導かれるように、中田総監督は今年9月末のセレクションから夢の育成プロジェクトの第一歩を踏み出していく。

取材・文●加部究(スポーツライター)
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