尚志高DFチェイス・アンリが初の国際舞台へ! 5歳上とのコンビでU-22日本代表でも堂々たるプレー
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「ビビっても仕方ない」角田涼太朗(横浜)とコンビを組み、相手の攻撃をシャットアウト

 

 

 17歳の少年にとって、この半年間は自身を大きく変える時間となった。

 

「可愛い子には旅をさせよ」

 

 使い古された言葉だが、チェイス・アンリ(3年)にとって異なる環境でのプレーは刺激的だった。春先から幾度となく尚志を飛び出し、3月下旬にひと世代飛び級でU-18日本代表を経験。6月にはさらに上のU-20日本代表にも招集をされると、夏にはAZのU-23チームやボルシアMGのU-18チームで技を磨いた。

 

 夏前ぐらいまではどこか自信なさげな表情で、おどおどした様子すら見せていた。初めてU-20日本代表に招集された時も、尚志出身で2学年上の染野唯月(鹿島)に対して「ビビっています」と言っていたほどである。

 

 もちろん本気で思っていたわけではないだろうが、今思えば上の世代に混じってプレーする怖さから出た言葉だったのかもしれない。

 

 しかし、そうした弱さは、旅に出る回数が増えるごとに減っていく。

 

「ビビっても仕方ないし、もっとうまくならないといけない。前は気を遣っていたけど、今は声掛けをできるようになった」

 

 9月上旬のU-20日本代表合宿では臆さずに年上の相手に立ち向かい、チームメイトに対しても遠慮せずにモノを言えるようになった。もちろん変わったのは、振る舞いだけではない。肝心のプレーでも得意の空中戦で相手を跳ね返し、ビルドアップでも落ち着いた様子でボールを捌く。時折見せた正確なロングフィードも、高校生とは思えない精度を誇っていた。

 

 上の世代に混じってプレーした経験で生まれた自信は、10月4日からスタートしたU-22日本代表の活動でも垣間見えた。

 

 ユース主体となった横浜F・マリノス戦(45分×3本/5○0)にCBで先発出場すると、堂々たるパフォーマンスを見せる。5歳年上のDF角田涼太朗(横浜)とコンビを組み、相手の攻撃をシャットアウト。空中戦はもちろん、地上戦でも強さを発揮した。今まではフィジカル能力に任せていた節もあったが、状況に応じて頭脳的な守りで相手と対峙。「ずっとマークに付くのではなく、自分のゾーンと相手を見て予測するところを修正した」と話した通り、適切なポジションに構えてアタッカー陣を封じた。培ってきた経験があったからこその守りで、春先とは一味違うプレーを見せられたのは間違いない。

 

10月26日に初戦を迎えるU-23アジアカップ予選へ。初の国際舞台でどんなプレーを見せるか

 

 ビルドアップでも正確な繋ぎで攻撃の出発点として役割を全うし、チームの勝利に貢献したチェイス・アンリ。先輩たちと対等に話しながら、自分の特徴を発揮したが、決して謙虚な気持ちを忘れたわけではない。それは試合後に残した言葉からも窺えた。

 

「以前よりも良さは出せるようになってきたけど、まだまだ足りていない。このレベルになると、判断を早くしないといけないし、高校の試合とは全然違う」

 

「多分前よりは上手くなったけど、自分の映像を見ると出せる場所があったなと思うので、全く納得できていない」

 

 もっと上手くなりたい――。チェイス・アンリの言葉からは向上心が滲み出ていた。そうした想いは日々の行動にも現れている。以前はあまり見ていなかったサッカーの映像もチェックするようになった。最近は神戸のトーマス・フェルマーレンからヒントを得ており、「ビルドアップがうまく、パススピードも速い。声もずっと出していて、周りにパスコースを伝えていたので参考になった」。

 

10月26日に初戦を迎えるU-23アジアカップ予選。「予選の緊張感もあると思う。だけど、相手よりも戦わないといけないし、舐めてかかってはいけない」と意気込むなかで、初めての国際舞台でどのようなプレーを見せるのか。良いプレーもあれば、普段では考えられないミスだって生まれるかもしれない。しかし、その経験が飛躍の糧になる。さらなる成長を求め、チェイス・アンリは新たな旅路に向かう。

 

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

 

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